皆さまこんにちは🤓営業つかわきです。先月VIBRAM JAPAN(原宿)にて、ヨーロッパ最先端の設備を使用した「スニーカーリペア講習会」を開催させていただきました。
今回の講習では、人気モデル「ニューバランス996」を題材に、スニーカーリペアの基本から実践的な施工技術まで、実際の作業を通して学んでいただきました。
ご参加いただいたのは、以前のVIBRAMアンケートにお答えいただいた、靴修理の現場で活躍されている店舗の皆様。普段の修理ではなかなか触れる機会のない設備や技術も体験していただき、非常に内容の濃い2日間となりました。
■今回の講習テーマは「スニーカーリペア」

近年、スニーカーの着用シーンが広がる一方で、愛用しているスニーカーを「長く履き続けたい」というニーズも増えています。
そこで今回は、VIBRAM推奨のスニーカーリペアの作業手順で一連の工程を、実習形式で体験していただきました。
■講習作業手順:
①木型の選択・装着
②ソールの解体
③接着面の下処理
④カップソールのサイズ合わせ
⑤接着
⑥圧着
① リペア用木型の選択・装着
まずは、スニーカーリペアに欠かせない「木型」の選択からスタート。
参加者の中には、リペア用木型を使用した経験がない方も多かったため、木型の役割や選び方、装着方法から丁寧に確認しました。

今回はニューバランス専用木型ではなく、汎用性の高いVibramスニーカー用ラストを使用。
ニューバランス996に合わせながら、インソール(中敷き)の有無によるサイズ調整など、実際のリペア現場を想定したフィッティング方法を実習しました。
スニーカーはモデルによって形状が異なるため、単純に「同じサイズの木型を入れればOK」というわけではありません。
ソールを剥がしやすくするための面作り。また圧着機で抑える際の接着面を作りだす事が、スニーカーリペアの仕上がりを左右する、重要な工程です。
ちなみに弊社でも今後のリペアの未来のために、「リペア用木型」の製作を進めており、年内に正式販売出来ればと考えております☺
② ソール剥がし・解体
続いては、EVAやウレタンなどのソールを解体する工程です。
スニーカーの解体では「熱」の使い方が非常に重要になります。基本的な手順としてヒートガンを使用したスポット加熱を中心に実習。

ヒーターボックスで靴全体を加熱する方法では、靴全体が100℃前後まで加熱される可能性があり、芯材やテック系ナイロンアッパーなどを傷めるリスクがあります。
そのため、必要な部分に必要な熱だけを加えるヒートガンによるスポット加熱が重要になります。
また、素材によって熱への反応も異なります。
- EVAは熱によって焦げやすい
- ウレタンは熱で溶ける
など、それぞれの素材特性を理解したうえで作業を進める必要があります。
ソールはつま先側・カカト側のどちらからでも解体できますが、つり込み部分や縫い代を傷めないよう、慎重な作業が求められます。
使った工具はこちら🐼
■ヒートガン:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=623
③ ソール解体後のバフ掛け
ソールを解体した後は、残ったEVAやウレタンをきれいに除去します。
フィニッシャーやワイヤーブラシを使用し、接着面を適切な状態に整えていきます。
ここで重要なのが、接着面の下処理です。

ペーパーを当てる方向やバフのかけ方など、接着力を左右するポイントを実際の作業を通して確認。
スニーカーリペアでは、見た目の仕上がりだけでなく、「しっかり接着できる下地を作る」ことが非常に重要です。
使った工具はこちら🐼
■ワイヤーブラシ鋼線:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=3334
■ワイヤーブラシ真鍮:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=3333
■ワイヤーブラシミニ:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=3239
■専用取付パーツ:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=3243
④ VIBRAMカップソールのサイズ合わせ

📖 資料掲載:カップソールのサイズ合わせ参考資料
続いて、今回の講習の大きなポイントのひとつである、VIBRAMカップソールのサイズ合わせを行いました。
リペア用カップソールは、単純にサイズ表だけを見て選ぶのではなく、実際の靴に合わせながらフィッティングすることが重要です。
カップソールの形状や靴本体とのバランスを確認しながら、最適なサイズを選択していきます。
⑤ 接着面の加工
カップソールのサイズが決まったら、次は接着面の加工です。靴とソールをどの位置で合わせるのか、接着位置を確認しながらラインを取り、加工を進めていきます。
フィニッシャーに加え、「ハンドラフナー」も使用し、ソールのバフ掛けを実習。
使った工具はこちら🐼

■ハンドラフナー: https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=3587
機械だけに頼るのではなく、細かな部分を手作業で調整することで、より精度の高い施工につなげていきます。


⑥ 接着工程
接着工程では、CES7000+、CES7000TF、CES5000Uを使用。
プライマーや接着剤の塗布方法、適切な乾燥時間など、接着の基本となるポイントを確認しました。
スニーカーは、アッパー・ミッドソール・アウトソールなど、複数の異なる素材が組み合わされています。
そのため、素材によって接着時の注意点も変わります。
「どの接着剤を使うか」だけではなく、お馴染みの 【素材の確認 ➡ 適切な下処理 ➡ プライマー ➡ 接着剤の塗布・乾燥 ➡ 熱活性+圧着】
という工程全体を正しく理解することが、安定した施工につながります。

※画像右のカップソール(Bristol)のプライマー処理はサイドラバーだけ500プライマー。
底面のウレタン部分はプライマー不使用で5000Uボンドのみでの接着になります。
■使った各種ボンドはこちら🐼
CES7000+ボンド:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=717
CES7000TFボンド:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=3629
CES プライマー N100 :https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=718
CES5000U ウレタンボンド:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=1628
CES500プライマー:https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=1629
⑦ 圧着
最後は、ジネフ社カップ型の圧着機を使用して圧着。
木型と圧着機があれば圧着作業は非常に簡単になります☺

本来は圧着後、木型を入れた状態で24時間程度固定することが理想ですが、今回は講習時間の都合上、作業完了時に木型を抜いて仕上げました。
実際の施工では、圧着後の固定時間も含め、より確実な接着状態を作ることが重要です。
■カッソール圧着機:Vibram LABOでも使用されていたドイツ製の圧着機も輸入可能です☺
BL-5圧着機: https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=1734
今回の修理工程が、もう少し身近になるように木型同様に圧着機も製作を進めていますので、お楽しみに🤓
■これからのスニーカーリペアに向けて
スニーカーリペアは、今後さらに需要の拡大が期待される分野です。
今回の講習を通じて、実際の施工技術だけでなく、「スニーカーを修理して長く履く」という新しい選択肢を、お客様へ提案するためのきっかけにもなりました。
今後は、今回の参加店舗でのスニーカーリペア導入状況や施工事例、お客様の反応なども確認しながら、より実際の現場で役立つ情報を共有していきたいと考えています!
■次回の講習会も計画中!
今回のスニーカーリペア講習に続き、今後はさらに幅広いジャンルのシューズをテーマにした講習会も計画しています。
🥾 登山靴
🏃 トレイルランニングシューズ
🧗 クライミングシューズ
など、各カテゴリーに特化したリペア技術やVIBRAM製品について、実践的に学べる講習会を開催していく予定です。
「修理できる靴を増やす」そして、「お気に入りの靴を、より長く履いてもらう」
そのために、昴では今後もVIBRAMと連携しながら、靴修理業界の皆様に向けた技術講習や製品提案を積極的に行っていきます。
ご参加いただいた皆様、2日間本当にありがとうございました!次回の講習会もお楽しみに🤓
(株)昴 塚脇