どうも皆様ご無沙汰してます。
久しぶりの登場、オンラインの中の人 高田です🧑

最近はオンラインショップもマイナーチェンジばかりで目立った変更は無く、恐縮です😫ただ、新機能が無いからと言ってサボっている訳ではなく、次のアップデートに向けてコツコツとアイデアを貯めているんですよ…。何かいい機能があれば教えてほしいものですなぁ😂😂

・・・という事で、いい機能があればぜひこちらにお寄せください
<お問い合わせフォーム>
https://www.subaru-ec.com/contact/
直接私にメールが届きます🤞😀<よろしくお願いします~

ちなみに、11月ぐらいにはまた少し機能変更を予定しているのでお楽しみに。

本題の染め実験の前に、塗料の特徴の話

最近はアッパーの染めに対する関心が非常に高まっているので、自分の靴を使って実験した内容をブログにてご紹介させていただきます!

今回紹介させていただくのは、染料系の塗料を使った染めです。

そもそも顔料と染料ってどう違うの?というお話をよく聞くことがありますので、自分なりに解釈したことをすごく簡単に説明すると

染料→素材に染み込む、粒子が細かい、透明感のある仕上がり

顔料→表面に残る、粒子が大きい、耐久性が高い

ざっくりいくとこんな感じです。自分も深くは知りません😅(笑)
でも基本さえ押さえておけば、応用できると思います!

じゃあどっち使えばいいのー?って聞かれることも多々ありますが、自分の解釈としては“目的の仕上がりに対しての使い分け”かなと。

<染料系>
素材に染み込んで染まりますので、グラデーションを表現する染めに非常に向いています。均一に染まりにくい反面、濃淡が表現しやすく、芸術的な仕上がりの靴が多いです。また、基本的に塗膜面が無いので革本来の表情を活かした透明感のある染めが表現できます。ただし、塗膜面が無いので顔料と比べると耐久性は低い傾向にあります。色止めは基本ワックスなどで行いますが、水溶性なので水にも弱く、擦れなどにより色落ちや色移りしてしまいます。

<顔料系>
表面に残って染めるので、均一な染め上がりを表現するのに非常に向いています。表面に残るので発色が良く、樹脂を含むので表面の隠ぺい力があり、素材の耐久性も高くなり、色落ちがしにくいです。ただし、樹脂が厚くなれば革本来の素材感が薄くなってしまいます。

特徴としてはこんな感じでしょうか。最近の靴では、染料と顔料を併用した革本来の表情を残しつつ耐久性を出すという、良い所取りの“セミアニリン仕上げ”が主流になってきています。

お伝えしたいのは、最終的にはお客様のご要望に応じて仕上げ方法を決定して、使用する塗料を選択すればいいのではないかと思います!!

説明長すぎ!早く実験へ!!

ダブルモンク
XS CITY配合の…?!

今回の実験に使うのは、ダブルモンク君です。
(なんと裏面には未販売品のVIBRAMの新商品が…?!この話はまた入荷後に、乞うご期待!!)

3年、4年ぐらい履いてきたのですが、色のことを勉強しているとどうしても実験たくなりますよね😅人の靴を犠牲にするわけにもいかないので、どうせなら自分の靴を、より自分好みにするために実験です!!

元のカラーはコニャック系でこの色も好きなのですが、ベースの茶系カラーを活かしながら青系の色を足して、“紫っぽいダークブラウンになればいいなぁ~”と思ってSAPHIRダイフレンチリキッドのネイビーを使用します👍

あわよくばミュージアムカーフ風のムラ染め仕上げを目指して…

いざ実践!!

1.まずは表面の塗料を除去

今回は染料を使って染めていきますので、表面が塗料でコーティングされている靴なので、そのまま染料を入れても表面の塗料が発色して染まりません。なので最初に表面の塗料を除去する必要があります。

表面をシンナーを使って塗料を除去していきます。今回はMシンナーを使用して除去していきます。軽く全体をMシンナーで拭きながら除去していきます。Mシンナーだけで顔料が溶ければいいのですが、最近の塗料はなかなか強くてそうもいきません。

なので、800番手のヤスリを使って表面の塗料だけを除去していくイメージでヤスリ掛けを行っていきます。こすりすぎるの銀面まで取ってしまうので、状況を見ながらヤスリ掛けをします!

除去前
除去後

こんな感じで革の色が出るぐらいまでヤスリ掛けを行います。今回はベースのカラーを活かしながらムラ染めをしたいので、ある程度のところまでヤスリ掛けすればOKです。ムラ感をできる限り無くすのであれば、元の塗料はできる限り除去すればさらにムラ感は無くなります。

ヤスリ掛けした後に少しのシンナーで優しく、でもしっかりと全体的に脱脂をします。今は塗膜が無い状態なので、たくさんシンナーを使ってゴシゴシすると傷んでしまうので要注意!!

2.染料を使って染めていく

染料を使って染めていきます。今回は筆を使って塗っていきます。塗る前にマスキングテープでウェルトとコバを保護しておきます。

輪郭をはっきりさせたいので、カカト周り・つま先・継ぎ目周りから先に塗っていきます。塗る際の注意点としては、筆についた染料をできる限りシゴいて少量ずつ塗っていきます!!

途中経過1
仕上げ前

片足を先に全体的に塗ってから、それを見本にしながらもう片足を同じ様に塗っていきます。左右で同じようにしないとですね!!

そこからは自分の好きなような濃淡を付けていきます。あんまり塗りすぎるとギラギラしてきてこれ以上染料が入らなくなる場合があります。ギラつきは染料の入れすぎの時に起こりますが、クリームで磨けば目立たなくはなります!

靴クリームで仕上げ、ワックスで色止め

靴クリームで仕上げを行います。ヤスリ掛けして、シンナー拭きしてるので革の油分がカラカラになっているので、まずはニュートラルの靴クリームで磨いていきます。その後、カラー系の靴クリームで色調整を行います。今回は暗めに仕上げたいので、ネイビーを入れてから少しブラックで磨きます!!

磨くとこんな感じ
色止めとしてハイシャイン

この上から樹脂系の塗膜をすればセミアニリン風の仕上げになりますが、雨の日にガシガシ履くわけではないので、今回はワックスだけで色止めを行います。

染め替え前
染め替え後

室内灯だと結構暗くなってしまいましたが、屋外の太陽光の下で見ると、結構いい感じです👍光が強いと革の内部から発色して、めっちゃ色がかわりますね♪

元々がコニャック色に染められていた靴なので、メーカーのように上手く濃淡を付けられませんでしたが、まぁまぁ及第点の仕上がりになったと思います😎

😂<でも、思ったより赤が勝っちゃったな~
😂<ネイビーもっと仕事しろッ!

1か月ぐらいたった状態がこちら。少し色見が落ち着いてきて、やっとイメージしていた紫系っぽくはなってきています🤣(笑)

イメージしたよりも暗く仕上げすぎたので、しっかり汚れ落としをしてからニュートラルで磨くとこんな感じに濃淡がはっきりしてきていい感じです👍

ここから先は、クリームで自分の好きな色見に徐々に調整していけばいいかなと!

今回使用した材料はこちら

いかがだったでしょうか。ムラ染めはなかなかお店のメニューで実践する機会は少ないかもしれませんが、少しでも作業のイメージになれば幸いです😃🙏

トータルの作業時間は2時間~3時間ぐらいでしょうか?
自分は手が早くないので、上手な人だと1時間半ぐらいで出来てしまうと思います!!😂

脱色の工程などは顔料染めでも応用できたり、染料を均一に塗り広げれば濃淡の少ない染めもできるので、知識として入れておいて損はないと思います!!

皆様の売上アップにつながる情報があれば、またブログにてアップさせていただきます♪それではまたの機会に!!!

営業部 高田