皆さん、こんにちは!
連日のキャスター交換修理、本当にお疲れ様です。件数をこなすうちに、そろそろ自分なりのルーティンや効率の良い手順が固まってきた頃でしょうか?!
今日は、作業に慣れ始めたプロの皆さんが必ず一度はぶち当たる、ダブルキャスター修理の「超・厄介なパターン」とその解決策をご紹介します😅
ダブルキャスタータイプのスーツケースにおいて、ある特定のメーカーでは軸が本体(樹脂台座)に直接ガッチリ固定されているケースが存在するのをご存じでしょうか?
それがこちら。

「いつも通りキャスターの外側を外したのに、なぜか軸だけが残って全然抜けない…?!」という状況、焦りますよね。
力任せにプライヤーで引っ張ろうとして、本体のプラスチックを割ってしまいそうになったり、手を滑らせて痛めてしまったりした経験はありませんか?
そこで今回は、普段は靴修理で大活躍する「ネールヒーター」を使い、この頑固な抜けにくい軸を驚くほどスマートに引き抜く便利な活用術をご紹介します!

🛠️ 今回使用する主な道具
- ネールヒーター
- プライヤー(軸を滑らずにガッチリ掴めるもの)
- 交換用キャスターパーツ
- ボルトカッター / ドリル(事前の解体用)
👨🔧 ネールヒーターを使ったキャスター軸の抜き方
手順は非常にシンプルですが、熱を使うため「タイミング」がポイントになります。
1.いつも通りキャスターを外す
まずは下準備です。
通常の手順通り、キャスターのカシメの頭パーツをドリルで削り落とすか、あるいは車輪のゴム部分をボルトカッターなどを用いてカットし、まずは車輪自体を外してください。
2.ネールヒーターで軸を温める

ここで強力な助っ人「ネールヒーター」の登場です。
金属軸の「付け根部分」にネールヒーターを当て、ピンポイントで熱を加えていきます。
💡 ポイント
周囲のプラスチックパーツを溶かしすぎないよう、軸の中心部分だけを狙って熱を伝えるのがコツです。
3.少し煙が出たら「回しながら」引き抜く
しばらく温めていると、軸の周りから少し煙が上がってきます。これが「引き抜き時」のサインです!
熱によって軸の周囲の樹脂がわずかに緩んだ瞬間を狙い、ペンチで軸をガッチリと掴みます。そのまま真っ直ぐ引っ張るのではなく、「グリグリと回しながら」引き抜いてください。

タイミングが合っていれば、綺麗に軸が抜けます!
4.あとは普通にキャスター交換をするだけ
ここまで来たらもう何も怖いものはありません。昴で売ってるダブルキャスターや軸を使ってキャスター交換するだけです。
⚠️ 修理時の注意点
- 火傷(やけど)に注意
加熱された軸やネールヒーターの先端は非常に高温です。絶対に素手で触れないようにご注意ください。また、先端の起き場所にご注意ください。 - 換気をしっかり行う
熱で樹脂がわずかに焦げるため、少し煙と臭いが発生します。必ず部屋の窓を開けるか、換気扇の下で作業を行ってください。 - 加熱しすぎない
煙が多く出すぎるほど加熱すると、キャスターの台座(プラスチック部分)が変形してしまい、新しいキャスターが固定できなくなる恐れがあります。「少し煙が出たらすぐ抜く」を意識してください。
まとめ
これまでは引っ張ってもなかなか抜けず、フィニッシャーで強引に削ったり、ドリルで強引に穴をあけたりと、力業でなんとか解決していた職人さんも多かったかと思います。
しかし、このネールヒーターによる「熱の力」を借りれば、力もいらず、パーツを壊すリスクも減らし、驚くほどスピーディーに軸を抜くことができます。作業効率のアップは間違いありません!
「あのメーカーの軸、いつも抜けなくて時間がかかるんだよな…」と諦めていた方は、ぜひこの機会にネールヒーターをご購入いただき、靴修理店だからできる技術を試してみてはいかがでしょうか!
(株)昴


